早朝の下北沢。シャッターが並ぶ商店街の奥に、小さなカフェ「ムーンドロップ」の灯り。
バリスタの瀬川湊がラテアートを描いている。繊細な手つき、真剣な横顔。
常連客の桐生蓮司(30代、眼鏡の大学教授)が入店。「いつものを」。
湊が渾身のラテアートを出す。白鳥の模様。桐生が微笑む「今日のは特に美しいね」。
湊が耳まで赤くなる。カウンターの下で握りしめた拳。
閉店後、湊がラテアートの練習をしながら桐生のことを考える。カップに浮かぶハート模様。