三日間の野営を経て、蓮はようやく王都エルディアの城門にたどり着いた。石造りの巨大な門、行き交う馬車、露店で売られる光る果実。すべてがファンタジーそのものだった。
スマホの魔法辞典で調べた「浄水の術」を応用し、泥水から純水を生成してみせると、通りがかりの錬金術師ギルドのマスター・オルガが目を丸くした。「その術式、見たことがない。どこで学んだ?」。蓮は正直に「別の世界から来た」とは言えず、「独学です」と答えた。
オルガは蓮をギルドに招き入れ、工房の一角を貸してくれた。現代化学の知識と、この世界の魔法体系。二つを組み合わせれば、誰も作れなかった薬や道具が作れるかもしれない。蓮の異世界生活は、ここから本格的に動き始めた。